生活保護基準引き下げ反対埼玉連合会

我が国の「健康で文化的な最低限度の生活」を問う、生活保護基準引き下げに反対する訴訟の勝利を目指して、原告を支援し、運動の輪を広げていくことを目指しています。

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295世帯が生活保護引き下げは不服として、埼玉県に審査請求

295世帯が生活保護引き下げは不服として、埼玉県に審査請求

2015年5月15日、生活保護基準引き下げ反対埼玉連絡会に参加している297世帯が、4月に始まった生活保護基準の引き下げは不服として、埼玉県知事に対して審査請求書を提出しました。

埼玉県知事宛要望書:2015年5月15日(PDFファイル:180KB)

2015年5月15日

埼玉県知事 上田清司様

                     生活保護基準引き下げ反対埼玉連絡会

                                         代表 寺久保光良

要 望 書

  本日ただいま、生活保護基準引き下げ反対埼玉連絡会に参加している297世帯が貴職に対して審査請求書を提出しました。

審査請求人は生活保護法による保護を利用しておりますが、現在の生活保護基準はとても「健康で文化的な最低限度の生活」と言える水準ではありません。どんなに猛暑でも電気代の節約のため冷房は極力ひかえ、暑苦しい夜でもじっと我慢しており、またどんなに寒い日でも石油ストーブも出来るだけ点けないようにしています。入浴も週に1〜2回として身の清潔も我慢しています。そのため体調を崩すことも度々です。食材の購入に際してはスーパーの値段の下がる時間帯を狙い、安売り店を探し回っています。金と節約のことだけで頭がいっぱいの日々を過ごしています。そのため友人や親戚の病気見舞いやお葬式の付き合いも出来ず、社会との関わりを絶ち委縮した生活を送っています。

また子どもの塾は辞めさせ、友達を自分の家に招くこともやめさせ、部活や地域の子供の集まりなども参加させられず、肩身の狭い思いをさせています。

国は3年間にわたって10パーセントの保護基準引き下げを行い、一層、窮屈で肩身の狭い思いと心身の健康を保つことが難しい生活へと追い込まれています。

これが「健康で文化的な最低限度の生活」と言えるのでしょうか?

私たちは贅沢を望んではいません。せめて子供達には肩身の狭い思いをせずに、すくすくと明るく育ってほしいと思います。友人や親戚の病気や不幸に対して少なからずの気持ちを示せるようにしたい。食材は栄養と嗜好を考えて購入したい。猛暑や酷寒の日には体調管理のために冷暖房のスイッチを入れたいということです。

また、たまには映画を観たい、時には喫茶店で美味しいコーヒーを飲みたい。お花の一鉢も買って部屋に飾りたいと思うことは贅沢でしょうか?

「健康で文化的な最低限度の生活」というのは、せめてそういうことではないでしょうか。

国は「税と社会保障の一体改革」と称して様々な社会保障削減を進めています。年金制度は「マクロ経済システム」として今後30年間にわたって年金額が実質的に上がらない仕組みを作りました。労働者派遣法の「改悪」を繰り返し、若者の50パーセント以上、労働者の30パーセント以上が派遣労働者や非正規労働者です。貧困率は16パーセントに上っています。これは先進国で最悪です。そのため健康保険や年金掛け金も支払うことができない人たちが数百万人に上っており、病気になっても医者に掛かれず手遅れによる病死が度々報道されています。

こうしたことは近い将来、負の連鎖となって社会不安を招くことになりかねません。社会保障制度、中でも生活保護制度はそういった意味でも社会の安全弁という意義があり、こうした時代だからこそ生活保護制度をきちんと運用する必要があります。

生活保護基準は社会の底支えの基準であり、最低賃金算定や地方税の課税、非課税基準の基礎となり、就学援助や保育料の査定や施設利用料など多くの社会保障施策の判断基準となっています。大きな影響力のある保護基準を厚労省による恣意的で「暴走」ともいえる算式によって軽々しく変えてはならないことは言うまでもありません。しかもあろうことか今度は住宅扶助費や冬期加算の引き下げも決定しています。私たちは断じて許すわけにはいきません。

日本の生活保護の捕捉率は20パーセントと言われ、いわゆる先進国の中でも最低のレベルとなっています。生活保護基準を引き下げるよりも先に、捕捉率を引き上げることこそ重要ではないでしょうか。それには財政問題があると言われますが、日本は少なくとも世界で3番目の経済大国です。その気になればやってできないことはありません。

そうしたことを望み、審査請求人は勇気を奮って声をあげました。

以上を踏まえ、私たちは審査請求の提出に当たって以下のことを強く要望します。

1 審査請求の審査に当たって国の方針に追従することなく、「県民の命と暮らしを守る」姿勢に立ち、地方自治の本旨と県民、審査請求人の生活の現実を踏まえ「健康で文化的な生活保障」の観点で行うこと。

2 審査請求人や現在係争中の原告に対して、嫌がらせや干渉、あるいはそう受け取れるような言動は慎むこと。その旨を各福祉事務所に周知すること。

3 生活保護制度について、「県民の命と暮らしを守る」立場で、県民に対して正しい知識の普及、啓発に努め、生活保護の捕捉率を高めること。

4 国に対して生活保護基準の引き下げを行わず、すぐに撤回するよう、また捕捉率を高める施策を講じるよう、埼玉県としても要望していただきたいこと。

以上

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